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住宅ローン審査の全ポイント解説!通過率を上げるための対策と落ちる理由

「住宅ローン審査、自分の年収で本当に通る…?」
「もし審査に落ちたら、計画が全部パーになるんじゃないか?」

こういった、マイホーム購入を前にした方の不安に応える記事です。

たしかに、住宅ローン審査の準備を怠ったことで、否決されてしまう方はいます。そうなると、欲しかった物件が手に入らないだけでなく、家族をがっかりさせたり、自信を失ったりと、つらい思いをすることになります。

しかし、デメリットだけではありません。審査のポイントを正しく理解し、事前に対策すれば、通過率は格段に上がります。そして、安心して家族と暮らせる理想のマイホームを手に入れることができるのです。

この記事では、審査通過の確率を上げるための具体的な知識と対策を網羅的に解説します。

目次

住宅ローン審査の基本知識

マイホーム購入への道、その最初の関門が住宅ローン審査です。しかし、その実態は意外と知られていません。「仮審査」と「本審査」はどう違うのか、申し込みから融失までどれくらいの時間がかかるのか。まずは審査の全体像を把握し、漠然とした不安を解消することから始めましょう。

  • 仮審査と本審査の違いを理解する
  • 住宅ローン審査の流れを把握する
  • 本審査にかかる期間を確認する

これらの基本を押さえるだけで、今後のプロセスを落ち着いて、かつ戦略的に進めることができます。

仮審査と本審査の違いを理解する

住宅ローンの審査は「仮審査(事前審査)」と「本審査(正式審査)」の2段階に分かれています。それぞれの目的と役割を正確に理解しておくことが、スムーズな手続きの第一歩です。

仮審査は、主に申込者の自己申告情報(年収、勤務先、勤続年数、他の借入状況など)をもとに、金融機関が「この人におおよそいくらまでなら融資できそうか」というスピーディな与信判断を行います。これにより、購入希望者は自分の予算感を把握し、不動産会社は安心した売買契約が可能です。

一方、本審査では、売買契約後に提出される公的な書類(源泉徴収票、課税証明書、住民票など)や物件の担保評価、団体信用生命保険(団信)の加入可否など、すべての情報を厳密にチェックし、金融機関と保証会社が最終的な融資の可否を判断します。

「仮審査に通ったから本審査も安心」とは限らないので注意が必要です。仮審査と本審査の間に新たな借入をしたり、申告内容に誤りが見つかったり、団信に加入できなかったりすると、本審査で否決されるケースもあります。

住宅ローン審査の流れを把握する

住宅ローンの申し込みから融資実行までの大まかな流れは次のとおりです。全体で1ヶ月〜1ヶ月半程度かかることを想定しておきましょう。

  1. 物件選び・資金計画の立案:購入したい物件の目星をつけ、自己資金や借入額の計画を立てます。
  2. 仮審査の申し込み:不動産会社の担当者経由や、インターネットで金融機関に申し込みます。
  3. 仮審査通過後、売買契約締結:仮審査で融資の見込みが立ったら、物件の売買契約を結びます。この際、手付金の支払いが発生します。
  4. 本審査の申し込み:売買契約書を含む、金融機関から指定された全ての書類を提出します。
  5. 本審査結果の通知:電話や郵送で結果が通知されます。
  6. 金銭消費貸借契約(ローン契約):本審査通過後、金融機関と正式なローン契約を結びます。
  7. 融資実行:物件の引き渡し日に、指定の口座に融資額が振り込まれ、売主への支払いが完了します。

この流れを理解しておくと、どのタイミングで何が必要になるか予測でき、慌てずに行動できます。

本審査にかかる期間を確認する

本審査にかかる期間は、金融機関や申込者の状況、時期によって変動しますが、一般的には1週間〜2週間程度が目安です。

ただし、提出した書類に不備があったり、記載内容について確認事項が発生したりした場合、保証会社の審査が難航した場合などには、3週間以上かかるケースも珍しくありません。特に、自営業者の方や複数の収入がある方は、審査に時間がかかる傾向があります。

物件の引き渡し日など、契約上のスケジュールがタイトな場合は、書類の準備を早めに行い、あらかじめ不動産会社の担当者と金融機関にスケジュール感を共有しておくことが重要です。金融機関の繁忙期(特に2月〜3月)は、通常より時間がかかることも想定しておきましょう。

参考:フラット35公式サイト「【よくあるご質問】審査期間について」

住宅ローン審査に落ちる理由と通過するための対策

審査のポイントがわかったところで、次はいよいよ実践編です。「なぜ審査に落ちてしまうのか」その具体的な理由を知ることで、「どうすれば通過できるのか」という明確な対策が見えてきます。通過率を格段に引き上げるための、今日からできる具体的なアクションを解説します。

  • 信用情報の延滞を解消する
  • 借入希望額を見直す
  • 自己資金を増やす
  • 雇用の安定性を高める
  • 申込書類のミスを防ぐ
  • 健康面のリスクに備える

一つでも多く実践し、万全の体制で審査に臨みましょう。

信用情報の延滞を解消する

金融機関が嫌うのが「お金にルーズな人」です。過去の延滞履歴は、その証拠と見なされます。ここでいう「延滞」には、クレジットカードの支払遅延はもちろん、スマートフォンの本体分割金の滞納、奨学金の返済遅延、公共料金の支払い忘れなども含まれます。

これらの情報は信用情報機関(CIC、JICCなど)に「異動」情報として記録され、一度記録されると完済後も約5年間は消えません。少しでも心当たりがある方は、まずCICやJICCなどで「信用情報の開示請求」を行い、ご自身の状況を事前に正確に把握しましょう。

もし問題が見つかった場合は、記録が消えるまで待つか、他の対策を強化する必要があります。

参考:CIC「情報開示とは」

借入希望額を見直す

年収に対して過大な借入額を希望すると、「返済負担率」の上限を超えてしまい、機械的に審査落ちの原因となります。返済負担率とは、年収に占める年間総返済額の割合のことで、一般的に30%~35%が上限とされますが、金融機関が安心して貸せる目安は25%以内です。

注意したいのが「審査金利」の存在です。金融機関は、実際の適用金利ではなく、将来の金利上昇リスクを考慮した高めの「審査金利」(例:3~4%)を使って返済負担率を計算します。そのため、自分で考えるよりも借入可能額はシビアに判断されると心得ておきましょう。

不動産会社の営業担当者や金融機関のシミュレーションを活用し、現実的な借入額に調整することが不可欠です。

自己資金を増やす

自己資金(頭金)が多いほど、金融機関からの信頼度は格段に上がります。「きちんと計画的にお金を貯められる人」という評価に加え、借入額が減ることで金融機関のリスクも低減されるからです。

理想は物件価格の10%~20%程度の頭金を用意することです。頭金が多いと、借入額が減って月々の返済が楽になるだけでなく、より金利の低いローン商品を選べる可能性も高まります。また、登記費用や各種税金、火災保険料などの「諸費用」(物件価格の5%~8%が目安)も自己資金で賄えると、さらに評価は高まります。

雇用の安定性を高める

住宅ローンは20年、30年と続く長期の返済です。そのため金融機関は「将来にわたって安定した収入を得続けられるか」を重視します。その指標となるのが、雇用形態や勤続年数です。

公務員や上場企業の正社員は高く評価されます。契約社員や派遣社員、自営業者の方は、正社員に比べて審査が厳しくなる傾向は否めません。また、勤続年数は最低1年、理想は3年以上あると安定性が高いと判断されます。もし転職を考えているなら、ローン審査・融資実行が終わってからにするのが賢明です。

申込書類のミスを防ぐ

申込書の記載内容に誤りがあると、たとえ意図的でなくても「信頼性に欠ける人物」と見なされ、審査に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、年収や既存の借入残高、家族構成などの重要な項目で、提出する源泉徴収票や住民票と食い違いがあると、審査が中断したり、最悪の場合は否決されたりすることもあります。

金融機関は「正確な書類を作成できない人=お金の管理もルーズかもしれない」と判断しかねません。記入後は必ず複数回見直し、不動産会社の担当者にもチェックしてもらうなど、万全を期して提出しましょう。

健康面のリスクに備える

ほとんどの民間金融機関の住宅ローンでは、団体信用生命保険(団信)への加入が必須条件です。これは、契約者に万が一のことがあった際に、保険金でローンが完済される、残された家族を守るための大切な保険です。

そのため、申込時には過去の病歴や現在の健康状態を正直に告知する必要があります。高血圧や糖尿病などの持病、過去の手術歴などによっては、通常の団信に加入できない場合があります。その際は、引受基準が緩和された「ワイド団信」(金利が0.2%~0.3%程度上乗せされることが多い)を検討したり、団信加入が任意である「フラット35」を視野に入れたりすることで、マイホームへの道が開けることがあります。

参考:住宅金融支援機構「団体信用生命保険とは」

通りやすい住宅ローンを選ぶ方法

審査対策は、自分自身の状況を改善する「守り」の対策だけではありません。どの金融機関の、どのローン商品を選ぶかという「攻め」の戦略も重要です。金融機関によって審査の基準や得意な顧客層は異なります。

  • 金融機関ごとの審査傾向を知る
  • フラット35の仕組みを活用する
  • 柔軟な審査を行う機関を見極める

一つの金融機関の審査に固執せず、視野を広げることが、夢のマイホームへの近道になるかもしれません。

金融機関ごとの審査傾向を知る

住宅ローンは、金融機関によって審査の基準や思想が異なります。ご自身の状況に合わせて、相性の良い金融機関を選ぶことが重要です。

金融機関金利水準審査の厳しさ特徴・どんな人向けか
都市銀行低い厳しい高属性(高年収・長期勤続の公務員や上場企業勤務)の方。
地方銀行・信用金庫中程度普通〜やや緩いその地域に根ざして暮らす方、給与振込などで取引実績がある方。対面での柔軟な相談を重視する方向け。
ネット銀行最低水準厳しい属性に自信があり、手続きの手間やコストを極力削減したい方。書類の正確性や自己管理能力が問われる。

フラット35の仕組みを活用する

「フラット35」は、住宅金融支援機構という公的機関と民間金融機関が連携して提供する、全期間固定金利型の住宅ローンです。民間ローンとは異なる審査基準を持っているため、有力な選択肢となります。

主なメリット
  • 人物より物件を重視:申込者の雇用形態(自営業や契約社員など)や勤続年数に比較的寛容で、それよりも住宅が国の定める技術基準(耐震性など)を満たしているかを重視します。
  • 団信加入が任意:健康上の理由で民間の団信に加入できない方でも、住宅ローンを組める可能性があります。

一方で、金利が比較的高めであることや、物件検査に手数料がかかるなどのデメリットもあります。自営業の方や転職直後の方、健康状態に不安のある方は、積極的に検討する価値があるでしょう。

参考:住宅金融支援機構「借入れをご検討の方」

柔軟な審査を行う機関を見極める

「通りやすい銀行」というインターネット上の情報だけで判断するのは危険です。あなたにとっての「通りやすさ」は、あなたの状況と金融機関の相性によって決まります。

特に、地元の地方銀行や信用金庫は、数字だけでなくあなたの将来性や人柄、取引状況などを総合的に評価してくれることがあります。たとえば、勤続年数が短くても、これまでのキャリアや貯蓄状況を丁寧に説明することで、担当者が「この人なら大丈夫だろう」と判断してくれるケースもあります。

頼りになるのは、経験豊富な不動産会社の担当者です。「〇〇さんのようなご状況なら、△△銀行の担当者が親身に聞いてくれますよ」といった、現場ならではの生きた情報を持っていることが多いため、積極的に相談してみましょう。

住宅ローン審査に関するよくある質問

最後に、多くの方が抱く素朴な疑問や、「今さら人には聞きにくい…」と感じていることについて、Q&A形式でスッキリ解消していきます。「これって審査に影響するの?」というあなたのモヤモヤが、きっと晴れるはずです。

  • スマホの延滞が審査に影響しますか?
  • 奨学金や過去の借金の扱いになりますか?
  • 家族の信用情報が影響しますか?
  • 審査に通らない人の割合はどれくらいいますか?
  • どうしても通したいときの相談先はありますか?

最後の知識をインプットして、自信を持って本番に臨みましょう。

スマホの延滞が審査に影響しますか?

大きく影響します。「たかが携帯代」と侮ってはいけません。特に、スマートフォンの本体代金を分割払いで購入している場合、その支払いは「割賦契約」というローンの一種として扱われます。そのため、支払いを延滞すると信用情報に傷がつき、金融機関からは「少額の支払いもきちんとできない人」という厳しい目で見られ、審査に落ちる原因となります。

奨学金や過去の借金は審査に影響しますか?

どちらも審査対象です。

  • 奨学金:現在返済中の奨学金は「既存の借入」と見なされ、その毎月の返済額は返済負担率の計算に含まれます。申込時には必ず正確に申告する必要があります。
  • 過去の借金:完済済みであっても、過去に長期の延滞など金融事故を起こしている場合、その記録が信用情報に残っている期間(約5年)は審査に影響します。

どちらも、遅れずにきちんと返済している実績があれば、過度に心配する必要はありません。

参考:日本学生支援機構「個人信用情報の取扱いに関する同意について」

家族の信用情報が影響しますか?

申込者本人が単独で住宅ローンを申し込む場合、原則として審査対象は本人のみであり、配偶者や親、子どもの信用情報が影響することはありません。

ただし、「収入合算」(配偶者の収入を合算して借入額を増やす)や「ペアローン」(夫婦それぞれがローンを組む)を利用する場合、または配偶者が「連帯保証人・連帯債務者」になる場合は、その配偶者等の信用情報も厳しく審査されます。一方が原因で審査に通らないケースもあるため、事前に家族間で状況を確認しておくことが重要です。

審査に通らない人の割合はどれくらい?

金融機関は具体的な否決率を公表していませんが、一般的に、仮審査の段階で申込者の10%~30%程度が、本審査でさらに5%~15%程度が否決されていると言われています。審査に落ちること自体は、決して珍しいことではないのです。

審査落ちの主な理由は以下の通り、本記事で解説してきたポイントに集約されます。

否決理由の上位内容
信用情報に延滞・事故情報あり携帯・クレジット・ローンの滞納など
借入希望額が過大年収に対しての返済負担率が高すぎる
雇用の不安定さ勤続年数が短い/転職直後など

どうしても通したいときの相談先はありますか?

審査に不安がある場合や、一度落ちてしまった場合は、一人で悩まず専門家に相談するのが最善手です。

  • 住宅ローン専門のファイナンシャルプランナー(FP):家計全体の状況から、客観的で最適な資金計画やローン選びをアドバイスしてくれます。
  • 住宅ローンアドバイザーが在籍する不動産会社:提携金融機関の情報や、審査通過のノウハウを持っています。
  • 金融機関の住宅ローン相談窓口:その金融機関の商品について詳しい担当者から直接話が聞けます。

近年では「住宅ローン通過支援サービス」などもありますが、高額な手数料がかかる上に、通過が保証されるわけではありません。まずは公的機関や無料相談窓口、信頼できる不動産会社などを活用するのがおすすめです。


まとめ|審査を乗り越え、「安心して暮らせる未来」を手に入れよう

住宅ローン審査は、マイホーム購入における一つの通過点に過ぎません。そして、その結果がどうであれ、あなたの人生の価値が決まるわけではありません。

むしろ、審査という機会を通じてご自身の家計やライフプランと真剣に向き合うことは、将来の「安心な暮らし」を築くための重要なきっかけとなります。

審査を後悔のないものにするためには、「とにかく通りたい」という短期的な視点だけでなく、将来にわたって無理なく返済していけるかという長期的な視点を持つことが大切です。この記事で解説したポイントを一つひとつ確認し、万全の準備を整えましょう。

たとえ、望んだ結果が得られなかったとしても、それは資金計画を見直す良い機会です。不動産会社の担当者やファイナンシャルプランナーといった専門家と協力しながら次の一手を打てば、道は必ず開けます。

この記事が、あなたが「住宅ローン審査にしっかり向き合ってよかった」と思える未来への一助となることを願っています。自信を持って、理想の暮らしへの扉を開きましょう。

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